身近の光景が精神の中心にあったはずだったのに、
Sep.23.2006
現像を終えたばかりのまだ濡れているネガを光に透かすと、そこには曖昧で不定形な事実が脈略もなく並んでいる。 その夥しい流れの中からひとにぎりの事実をえぐり出すように、1枚の写真をつくり出してゆく。 自身の現実をつくり出しているように思われてきます。 過ぎ去ってゆく瞬間を意味づけ、記憶という物語を刻一刻改竄してゆく行為としての写真、それは生きること、つまり人生そのものではないでしょうか。 写真が人生だと言っているのではありません。 生きることが、一遍の虚構を練り上げることに似てくると思ったのです。 単なる物質の化学反応であるはずの写真が、象徴の輝きを帯びてくる。

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